リハビリテーション料の記載要領等について

リハビリテーション

 様々なリハビリテーションが保険適用となっていますが、「標準的算定日数」などほかの診療行為では出てこない独特な考え方があります。記載要領不備だとレセプトが返戻されますので、詳しく解説していきたいと思います。

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1.リハビリテーションの種類

 リハビリテーションには複数の種類があります。大きく2つに分類され、「疾患別リハビリテーション料」と「その他のリハビリテーション料」に分かれます。
 「疾患別リハビリテーション料」とは、「心大血管疾患リハビリテーション料」「脳血管疾患等リハビリテーション料」「廃用症候群リハビリテーション料」「運動器リハビリテーション料」「呼吸器リハビリテーション料」のことをまとめた総称です。
 「その他のリハビリテーション料」は、「難病患者リハビリテーション料」「障害児(者)リハビリテーション料」「がん患者リハビリテーション料」「認知症患者リハビリテーション料」が該当します。
 「疾患別リハビリテーション料」は、標準的日数の決まりや記載要領が必要となることがありますので、1つ1つ整理して理解していく必要があります。

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2.標準的日数とは

 疾患別リハビリテーション料で出てくる標準的日数について解説していきます。
 それぞれのリハビリテーション料で、標準的日数は異なります。心大血管疾患リハビリテーション料は150日、脳血管疾患等リハビリテーション料は180日、廃用症候群リハビリテーション料は120日、運動器リハビリテーション料は150日、呼吸器リハビリテーション料は90日と定められています。
 リハビリテーションの治療開始から標準的日数の期間内は患者1人につき1日6単位、回復期リハビリテーション入院料を算定している患者、脳血管疾患等の患者で発症後60日以内のもの、入院中の患者でその入院する病棟等において早期歩行、ADLの自立等を目的として心大血管疾患リハビリテーション料(1)、脳血管疾患等リハビリテーション料(1)、廃用症候群リハビリテーション料(1)、運動器リハビリテーション料(1)、呼吸器リハビリテーション料(1)を算定するものについては1日9単位まで算定できることとなっています。

リハビリ名心大血管リハ脳血管疾患等リハ廃用症候群リハ運動器リハ呼吸器リハ
標準的日数150日180日120日150日90日
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3.標準的日数を超えた場合の取扱い

 必要があって、標準的日数を超えてリハビリテーション料を算定する場合は、1月13単位まで算定することができます。
 標準的日数を超えて、疾患別リハビリテーション料を月13単位以上算定する場合に出てくるものが「特掲診療料の施設基準等 第九の八、第九の九」です。

別表第九の八  心大血管疾患リハビリテーション料、脳血管疾患等リハビリテーション料、廃用症候群リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料及び呼吸器リハビリテーション料に規定する算定日数の上限の除外対象患者

一  失語症、失認及び失行症の患者
   高次脳機能障害の患者
   重度の頚髄損傷の患者
   頭部外傷及び多部位外傷の患者
   慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者
   心筋梗塞の患者
   狭心症の患者
   軸索断裂の状態にある末梢神経損傷(発症後一年以内のものに限る。)の患者
   外傷性の肩関節腱板損傷(受傷後180日以内のものに限る。)の患者
   回復期リハビリテーション病床入院料を算定する患者
   回復期リハビリテーション病棟において在棟中に回復期リハビリテーション病棟入院料
  を算定した患者であって、当該病棟を退棟した日から起算して三月以内の患者(保険医療
  機関に入院中の患者、介護老人保健施設又は介護医療院に入所する患者を除く)
   難病患者リハビリテーション料に規定する患者(先天性又は進行性の神経・筋疾患の者
  を除く)
   障害児(者)リハビリテーション料に規定する患者加齢に伴って生ずる心身の変化に
  起因する疾病の者に限る)
   その他別表第九の四から別表第九の七までに規定する患者又は廃用症候群リハビリテー
  ション料に規定する患者であって、リハビリテーションを継続して行うことが必要である
  と医学的に認められるもの

二  先天性又は進行性の神経・筋疾患の患者
   障害児(者)リハビリテーション料に規定する患者(加齢に伴って生ずる心身の変化に 
  起因する疾患の者を除く。)

別表第九の九  心大血管疾患リハビリテーション料、脳血管疾患等リハビリテーション料、廃用症候群リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料及び呼吸器リハビリテーション料に規定する別に厚生労働大臣が定める場合

一  別表第九の八第一号に規定する患者については、治療を継続することにより状態の改善
  が期待できると医学的に判断される場合

二  別表第九の八第二号に規定する患者については、患者の疾患、状態等を総合的に勘案し
  治療上有効であると医学的に判断される場合

 別表第九の八に出てくる患者の以下にまとめます。

障害児(者)リハビリテーション料に規定する患者とは・・・

・脳性麻痺の患者
・胎生期若しくは乳幼児期に生じた脳又は脊髄の奇形及び障害の患者(脳形成不全、小頭症、
 水頭症、奇形症候群、二分脊椎等の患者を含む。)
・顎・口腔の先天異常の患者
・先天性の体幹四肢の奇形又は変形の患者(先天性切断、先天性多発性関節拘縮症等の患者を
 を含む。)
・先天性神経代謝異常症、大脳白質変性症の患者
・先天性又は進行性の神経・筋疾患の患者(脊髄小脳変性症、シャルコーマリトゥース病、
 進行性筋ジストロフィー症等の患者を含む。)
・神経障害による麻痺及び後遺症の患者(低酸素性脳症、頭部外傷、溺水、脳炎・脳症・髄膜
 炎、脊髄損傷、脳脊髄腫瘍、脳神経叢損傷・坐骨神経損傷等回復に長期間を要する神経疾患
 等の患者を含む。)
・言語障害、聴覚障害、認知症を伴う自閉症等の発達障害の患者(広汎性発達障害、注意欠陥
 多動性障害、学習障害等の患者を含む。)

 加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病の者とは・・・
40歳以上の者であって、その要介護状態又は要支援状態の原因である身体上又は精神上の障害が、介護保険法第7条第3項第2号に起因する特定疾病によって生じたものであるものとされています。

介護保険法第7条第3項第2号に起因する特定疾病とは・・・

1.がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至った
 と判断したものに限る)
2.関節リウマチ
3.筋萎縮性側索硬化症
4.後縦靭帯骨化症
5.骨折を伴う骨粗しょう症
6.初老期における認知症
7.進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病(パーキンソン関連疾患)
8.脊髄小脳変性症
9.脊柱管狭窄症
10.早老症
11.多系統萎縮症
12.糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症

13.脳血管疾患
14.閉塞性動脈硬化症
15.慢性閉塞性肺疾患
16.両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

 標準的日数を超えて疾患別リハビリテーションを行う患者のうち、治療を継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断される場合(「別表第九の八」に掲げる患者であって、「別表第九の九」に掲げる場合)は、標準的算定日数を超えた場合であっても、標準的算定日数内の期間と同様に算定できます。
 「別表第九の八第一号に掲げる患者であって別表第九の九第一号に掲げる場合」と「別表第九の八第二号に掲げる患者であって、別表第九の九第二号」では、取扱いが少し異なりますので以下にまとめていきます。

別表第九の八第一号に掲げる患者であって別表第九の九第一号に掲げる場合
・継続することとなった日を診療録に記載することとなった日及びその後1か月に1回以上リハビリテーション実施計画書を作成し、患者又はその家族等に説明の上交付するとともに、その写しを診療録に添付します。

・請求する際は記載要領で定められたものを記載する必要があります。記載要領の内容は・・
①これまでのリハビリテーションの実施状況(期間及び内容)
②前月の状態と比較した当月の患者の状態
③将来的な状態の到達目的を示した今後のリハビリテーション計画と改善に要する見込み期間
④機能的自立度評価法(FIM)及びその他の指標を用いた具体的な改善の状態等を示した継続
 の理由                                    等

別表第九の八第二号に掲げる患者であって別表第九の九第二号に掲げる場合
・継続することとなった日を診療録に記載することと併せ、継続することとなった日及びその後3か月に1回以上、リハビリテーション実施計画書を作成し、患者又はその家族等に説明の上交付するとともに、その写しを診療録に添付することになっています。

・記載要領は不要です。

 疾患別リハビリテーションの算定方法について、より詳しくまとめた記事もありますので、よろしければご覧ください!

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